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フィラリア予防はもう始めましたか?感染リスクと予防の重要性
はじめに
暖かい季節になると、犬や猫を飼っている方にとって気になるのが「フィラリア症」の予防です。フィラリアは蚊を媒介して感染する寄生虫疾患であり、特に犬では重大な健康リスクをもたらします。
本記事では、フィラリアの感染リスクや症状、予防の重要性について分かりやすく解説し、飼い主様にフィラリア予防の必要性をお伝えいたします。
フィラリア症とは?
フィラリア症とは、犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)という寄生虫が心臓や肺の血管に寄生することで発症する病気です。
主に蚊が媒介し、フィラリアの幼虫が犬の体内に入り込んで成長することで、様々な臓器に悪影響を与えます。放置しておくと心不全や肝不全などの重篤な合併症を引き起こし、最悪の場合、命に関わる可能性もあります。
フィラリアの感染経路とリスク
フィラリアの主な感染経路は蚊です。フィラリアに感染した犬の血液を吸った蚊が、他の犬を刺すことで感染が広がります。蚊が多くなる春から秋にかけて、特に注意が必要です。地域によっては、11月頃まで蚊が活動していることもあり、予防期間をしっかり守ることが大切です。
フィラリアは屋外で過ごす時間が多い犬だけでなく、室内犬でも蚊に刺されることで感染する可能性があります。そのため、すべての犬にフィラリア予防は必要不可欠です。

フィラリアに感染するとどうなるの?
フィラリア症に感染すると、以下のような症状が現れることがあります:
- 咳が出る
- 運動を嫌がる
- 元気がなくなる
- 食欲の低下
- 呼吸が荒くなる
- 腹水がたまる(お腹が膨れる)
これらの症状は徐々に進行するため、初期段階では気づかれにくいこともあります。診断が遅れると、治療が困難になり命に関わる場合もあります。そのため、定期的な検査と予防がとても重要です。
フィラリア症の予防方法
フィラリア症は、予防薬を毎月しっかり与えることで防げる病気です。現在では、以下のような予防薬があります:
- 錠剤
- チュアブル(おやつタイプの錠剤)
- スポットタイプ(首筋に垂らす液体)
- 注射タイプ(1年に一度で済むもの)
それぞれの生活スタイルに合った予防法を選ぶことができます。毎年春頃に血液検査を行い、フィラリアに感染していないことを確認してから予防を開始するのが一般的です。
予防を怠るとどうなる?
予防薬を飲ませていない犬が感染した場合、体内でフィラリアが成長し、やがて心臓や肺の血管に詰まってしまいます。こうなると、治療には大きなリスクが伴い、長期の投薬や外科的処置が必要になることもあります。
また、治療中は激しい運動ができず、犬自身にも大きなストレスがかかることになります。予防薬で簡単に防げる病気だからこそ、未然に防ぐことが何より大切です。
猫にも注意が必要です
フィラリア症は犬だけの病気と思われがちですが、実は猫にも感染することがあります。猫の場合、心臓よりも肺に炎症を引き起こすことが多く、「猫のフィラリア症」は突然死の原因にもなります。
特に屋外に出る猫や、蚊が室内に侵入しやすい環境に住む猫は注意が必要です。猫用のフィラリア予防薬もあるので、獣医師と相談して適切な予防を行いましょう。
フィラリア予防のタイミングと期間
蚊の活動が始まる時期に合わせて、フィラリア予防もスタートするのが理想です。一般的には「蚊が出始めてから1ヶ月後に予防を開始し、蚊がいなくなった後も1ヶ月続ける」ことが推奨されています。
地域によって蚊の活動期間が異なるため、当院では毎年5月下旬~11月下旬の予防をおすすめしています。

まとめ:予防こそが最大の治療です
フィラリア症は一度感染してしまうと、治療に時間と費用がかかり、犬・猫の体にも大きな負担がかかる病気です。しかし、正しいタイミングで適切な予防を行えば、確実に防げる疾患でもあります。
当院ではフィラリアの予防薬の処方はもちろん、春の健康診断と併せてフィラリア検査も実施しております。予防の始めどきでお悩みの方、薬の種類について知りたい方も、ぜひお気軽にご相談ください。
大切な家族であるペットが、元気に一年を過ごせるよう、しっかりとフィラリア予防を始めましょう。