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コラム皮膚科
犬の皮膚トラブルが増える季節!かゆみの原因と対策
はじめに
季節の変わり目や気温の変化に伴い、犬の皮膚トラブルが増えることをご存じでしょうか?特に春や秋はアレルギーが悪化しやすく、冬は乾燥によるかゆみが発生しやすくなります。また、ノミやダニなどの寄生虫が活発になる時期でもあり、皮膚病のリスクが高まります。
本コラムでは、犬の皮膚トラブルの主な原因とかゆみの対策について詳しく解説します。

犬のかゆみの原因とは?
犬が体を頻繁に掻いたり、舐めたりするのは皮膚の異常を示している可能性があります。以下のような原因が考えられます。
1. アレルギー
犬の皮膚トラブルの中でも特に多いのがアレルギーです。アレルギーには以下の3種類があります。
- 食物アレルギー:特定の食べ物(鶏肉、小麦、牛乳など)に対するアレルギー反応が原因で、かゆみや皮膚の赤みが現れます。
- 環境アレルギー(アトピー性皮膚炎):花粉やハウスダスト、カビなどが原因で、顔や耳、足先などにかゆみが出ることが多いです。
- ノミアレルギー:ノミの唾液に対するアレルギー反応で、特に腰のあたりを激しく掻くようになります。
2. 乾燥による皮膚トラブル
冬場の乾燥した空気や暖房による湿度の低下は、犬の皮膚の水分を奪い、皮膚の乾燥を引き起こすことがあります。乾燥すると皮膚のバリア機能が低下し、かゆみやフケが増える原因になります。
3. ノミ・ダニ・寄生虫
ノミやダニは犬の皮膚に寄生し、強いかゆみを引き起こします。ダニが原因の「疥癬(かいせん)」や「毛包虫症(もうほうちゅうしょう)」などの病気もあります。定期的な予防が大切です。
4. 感染症(細菌・真菌)
犬の皮膚には常在菌がいますが、免疫力の低下や傷から細菌が繁殖すると「膿皮症(のうひしょう)」と呼ばれる皮膚病を引き起こします。また、湿度が高い環境では真菌(カビ)の一種であるマラセチアが増殖し、「マラセチア皮膚炎」を発症することもあります。
5. ホルモンバランスの乱れ
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などのホルモン異常が原因で皮膚のバリア機能が低下し、かゆみが発生することがあります。
犬のかゆみを軽減するための対策
かゆみの原因に応じた適切な対策を行うことで、犬の皮膚トラブルを予防・改善できます。
1. 皮膚に優しいシャンプーを使用する
シャンプーは犬の皮膚の状態に合ったものを選びましょう。
- 乾燥肌の犬には 保湿成分配合 のシャンプー
- 脂っぽい肌には 低刺激の洗浄力が高いシャンプー
- アレルギーがある犬には アレルギー対応のシャンプー
シャンプー後はしっかりすすぎ、適切な保湿を行うことが重要です。
2. こまめなブラッシングで皮膚を清潔に
ブラッシングを行うことで、皮膚の血行を促し、フケや抜け毛を取り除くことができます。特に換毛期にはこまめにブラッシングを行い、皮膚の清潔を保ちましょう。
3. 食事の見直しとサプリメントの活用
食物アレルギーが疑われる場合は、獣医師と相談しながらアレルゲンとなる食材を除去したフードに切り替えましょう。また、皮膚の健康をサポートする オメガ3脂肪酸(EPA・DHA) を含むフードやサプリメントを取り入れるのも効果的です。
4. ノミ・ダニの予防
外出する機会が増える春や夏は、ノミ・ダニの予防が欠かせません。定期的な駆虫薬の投与をおすすめします。
5. 室内環境の湿度管理
乾燥する冬場は加湿器を使用し、室内の湿度を 50〜60% に保つことで皮膚の乾燥を防ぐことができます。
6. かゆみを和らげる薬の活用
かゆみがひどい場合は、獣医師に相談の上、抗ヒスタミン薬や免疫抑制剤、スキンケアスプレーなどを使用するのも選択肢の一つです。
犬の皮膚トラブルが続く場合は病院へ
犬が頻繁に体を掻く、皮膚が赤くなっている、フケが多いなどの症状が続く場合は、早めに動物病院を受診しましょう。皮膚トラブルは放置すると悪化することが多いため、早期発見・早期治療が重要です。
当院では、皮膚科診療を行っており、アレルギー検査や適切な治療の提案が可能です。

当院では、犬の皮膚トラブルの診察・治療を行っておりますので、お悩みの際はお気軽にご相談ください。
まとめ
犬の皮膚トラブルは季節の変わり目や乾燥、アレルギー、寄生虫など様々な原因で発生します。日頃から適切なスキンケアや食事管理、環境調整を行うことで、かゆみを防ぎ、愛犬が快適に過ごせるようサポートしましょう。
皮膚の異常に気づいたら、早めの診察が大切です!愛犬の健康な皮膚を守るために、ぜひ当院へご相談ください。