予約について

ブログ

春先に増える寄生虫の予防法:愛犬・愛猫を守るためにできること

はじめに

春の訪れとともに、気温が上がり、ペットたちにとって快適な季節がやってきます。しかし、同時にノミやダニ、フィラリアなどの寄生虫の活動も活発になり、愛犬・愛猫にとって健康リスクが高まる時期でもあります。特に、暖かくなり始める春先は、予防を開始するベストタイミングです。

この記事では、春に増える代表的な寄生虫とその予防方法について詳しく解説します。

春先に増える寄生虫の種類と危険性

1. ノミ

活動時期: 春から秋(特に気温13℃以上で活発化)
ノミは犬や猫の皮膚に寄生し、吸血することで激しいかゆみを引き起こします。さらに、アレルギー性皮膚炎や寄生虫(瓜実条虫など)の媒介源になるため、早めの対策が重要です。

主な症状

  • かゆみ(特に首や背中を掻く、噛む)
  • 被毛の間に黒いノミの糞(砂粒のようなもの)が見られる
  • 過剰なグルーミングや脱毛

予防方法

  • ノミ予防薬の投与(スポットタイプ・内服薬など)
  • 室内の掃除を徹底(カーペットや寝具の洗浄)
  • 定期的なブラッシングと健康チェック

2. マダニ

活動時期: 春から秋(特に気温15℃以上で活発化)
マダニは草むらや公園などに生息し、犬や猫の体に取り付いて吸血します。吸血時に重篤な感染症(バベシア症、ライム病など)を媒介するため、早期発見と予防が不可欠です。
また、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という致死率の高い病気も媒介します。人で致死率が10~30%、犬で約30%、猫で60~70%と言われており、人がマダニに直接咬まれなくてもSFTSウイルスに感染している動物から感染することもあります。

主な症状

  • 皮膚に黒い点のようなマダニが付着
  • 取り除いた後に赤みや腫れが残る
  • 発熱や食欲不振、貧血(バベシア症などの症状)

予防方法

  • マダニ予防薬の使用(スポットオン、チュアブルタイプなど)
  • 草むらや公園に行った後は必ず被毛をチェック
  • 散歩コースの見直し(草が生い茂る場所は避ける)

 ※SFTSを予防するには、人も動物もマダニに咬まれないようにすることが重要です。

3. フィラリア(犬糸状虫症)

活動時期: 春から秋(特に蚊が発生する季節)
フィラリアは蚊を媒介として感染し、心臓や肺に寄生することで命に関わる深刻な病気を引き起こします。感染すると、治療が難しく、進行すると死に至ることもあります。
特に犬が主な感染対象ですが、猫も感染するケースが増えています。

主な症状(犬の場合)

  • 咳や運動を嫌がる
  • 呼吸困難
  • 体重減少、元気消失

予防方法

  • 月に1回の予防薬(内服・スポット)を春から開始
  • 蚊の侵入を防ぐための室内対策(網戸の使用、蚊取り対策)
  • 予防期間は「蚊の発生から1カ月後~活動終了1カ月後まで」が目安

4. 消化管寄生虫(回虫・鉤虫・鞭虫など)

活動時期: 一年中(春先から増加傾向)
回虫や鉤虫は、犬や猫の腸に寄生し、消化器トラブルや栄養吸収障害を引き起こします。特に子犬や子猫は感染のリスクが高く、健康への影響が大きいため、定期的な駆虫が必要です。

主な症状

  • 下痢や嘔吐
  • 体重減少、毛艶の悪化
  • お腹が膨らむ(特に子猫・子犬に多い)

予防方法

  • 定期的な便検査と駆虫薬の投与
  • 外での糞尿の処理を徹底し、感染を防ぐ
  • 定期的な健康診断

春先の寄生虫予防対策

  1. 予防薬を早めに始める
    春になり気温が上がると寄生虫の活動が活発になります。動物病院で適切な予防薬(ノミ・マダニ・フィラリアなど)を処方してもらい、定期的に投与を行いましょう。
  2. 定期的なグルーミングと健康チェック
    愛犬・愛猫の被毛をこまめにブラッシングし、皮膚の異常や寄生虫の有無をチェックします。
  3. 室内の清掃を徹底する
    ノミやダニの卵はカーペットや寝具に潜んでいるため、こまめな掃除と消毒を心掛けましょう。
  4. 散歩コースの工夫
    寄生虫が多く生息する草むらや湿った場所を避け、舗装された道路を選ぶことで感染リスクを軽減できます。
  5. 定期的な健康診断を受ける
    寄生虫の早期発見には動物病院での定期的な健康診断が欠かせません。便検査や血液検査を受けることで、体内の寄生虫を早期に発見し、適切な対応ができます。

当院では、春先の寄生虫予防をサポートしています!

当院では、ノミ・ダニ・フィラリアの予防薬の処方はもちろん、寄生虫に関する健康診断や相談も受け付けています。愛犬・愛猫の健康を守るために、今からしっかりとした予防を始めましょう!

当院ではノミ・ダニ予防はリスクが高い子(よく草に入ったり、山やドックランによく行くなど)は年中行うことをおすすめしています。リスクが低い子でも3月からは行うことをおすすめしています。

お気軽にお問い合わせください。

▼ 当院で取り扱う予防薬

  • スポットタイプ(背中に滴下するタイプ)
  • チュアブル(おやつタイプ)
  • 内服薬(錠剤タイプ)

まとめ

春は寄生虫が活発に活動を開始する季節です。愛犬・愛猫の健康を守るために、今から予防をしっかり行い、快適な毎日を過ごせるようサポートしていきましょう。

気になることがあれば、お気軽に当院までご相談ください。