予約について

ブログ

子犬を迎えた人が最初に知っておきたいこと ― 健康で幸せに育てるための基礎知識と動物病院の活用法 ―

はじめに

「はじめて子犬を迎えました」
「どう育てたらいいのかわからない」
「病院にはいつ行けばいいの?」

このようなご相談は、動物病院で非常に多く寄せられます。
子犬との生活は、楽しく癒される反面、正しい知識がないまま育ててしまうと、将来の病気やトラブルにつながることもあります。

このコラムでは、これから犬と暮らし始める方、迎えたばかりの飼い主様に向けて、

  • 子犬を迎えた直後にやるべきこと
  • 健康管理の基本
  • 予防医療の重要性
  • よくあるトラブル
  • 動物病院との付き合い方

について、専門用語の説明を交えながら、わかりやすく解説します。

子犬を迎えた直後にまずやるべきこと

① 環境を整えることが最優先

子犬は、これまで母犬や兄弟と過ごしていた環境から、突然新しい家庭へ移動します。
これは子犬にとって大きなストレスです。

そのため、まずは安心して過ごせる環境を整えましょう。

  • 静かな場所にケージやサークルを設置
  • 冷暖房の調整(室温20〜25℃目安)
  • 直射日光や騒音を避ける

安心できる「自分の場所」があることで、精神的に安定しやすくなります。

② 健康チェックを受けましょう

子犬を迎えたら、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

見た目が元気でも、

  • 先天性疾患
  • 寄生虫
  • 感染症

が隠れていることがあります。

身体検査などで異常がないか診察していきます。
また、子犬は寄生虫が感染していることも多いので、可能であれば便もご持参いただき一緒に検便を行うことをお勧めします。

子犬の健康管理の基本

◆体調管理で大切なポイント

子犬の時期は、体が未発達で免疫力も弱いため、体調を崩しやすい時期です。

特に注意すべき症状は以下です。

  • 食欲がない
  • 元気がない
  • 下痢・嘔吐
  • 体重が増えない
  • 震えている

これらは病気の初期サインの可能性があります。

◆体重測定の重要性

子犬の成長管理でとても大切なのが体重測定です。

正常な子犬は、少しずつ体重が増えていきます。
体重が増えない・減る場合は、病気や栄養不足の可能性があります。

小さいうちは数日に1回程度の測定がおすすめです。

ワクチン接種について知っておこう

◆ワクチンとは?

ワクチンとは、感染症を予防するための注射です。
体内に免疫(病気に対する抵抗力)を作る目的があります。

◆混合ワクチン

犬では、以下のような病気を予防します。

  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • レプトスピラ症 など

これらは命に関わる重大な感染症です。

◆ワクチンプログラム

一般的な接種スケジュールは、

  • 生後6〜8週
  • 3〜4週間隔で2〜3回
  • 1年後に追加接種

となります。

免疫が安定するまで、外出や散歩は制限が必要です。

◆狂犬病ワクチン

狂犬病を予防するワクチンです。狂犬病は人にも感染する非常に危険なウイルス性の病気で、発症するとほぼ100%致死的です。
日本では現在発生はありませんが、海外では今も多くの国で流行しており、油断できない病気です。

日本では狂犬病予防法で年に1回の接種が義務付けられています
愛犬を守るため、また万が一の際、感染を拡大させないために毎年忘れずに狂犬病ワクチンを接種しましょう。

寄生虫予防は必須です

◆内部寄生虫とは?

内部寄生虫とは、体の中に寄生する虫のことです。

代表例:

  • 回虫
  • 鉤虫
  • 条虫

下痢や発育不良の原因になります。

◆外部寄生虫とは?

外部寄生虫には、

  • ノミ
  • マダニ

があります。

皮膚病だけでなく、感染症を媒介する危険もあります。
特に近年はマダニを媒介した重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という人にも感染する恐ろしい病気も感染拡大しています。

【SFTS(重症熱性血小板減少症候群)をご存じですか?】~ダニ予防の大切さと身近な危険~

◆定期予防の重要性

現在では、安全性の高い予防薬が普及しています。
毎月の予防が基本です。
愛犬を守るため、ぜひ定期的に予防を行うようにしましょう。

子犬の食事管理の基本

◆フード選びのポイント

子犬には、子犬用(パピー用)フードを与えましょう。

子犬用フードは、

  • 高たんぱく
  • 高カロリー
  • 成長に必要な栄養配合

になっています。

◆給餌回数

生後6か月未満は、

  • 1日3〜4回
  • 少量ずつ

が理想です。

一度に大量に食べると、消化不良や低血糖の原因になります。

◆低血糖とは?

低血糖とは、血液中の糖分が不足する状態です。
特に小型犬の子犬で起こりやすく、

  • 震え
  • ぐったりする
  • けいれん

などが見られます。緊急対応が必要です。

トイレ・しつけの基礎

◆トイレトレーニング

子犬は排泄のタイミングが決まっています。

  • 起床後
  • 食後
  • 遊んだ後

このタイミングでトイレに誘導しましょう。

成功したらしっかり褒めることが大切です。
失敗してしまっても、怒ったり騒いだりせず、すぐに片づけましょう。
𠮟ってしまうとトイレ自体を悪いことと勘違いして、隠れてトイレを行うようになることもあります。

社会化期とは?

社会化期とは、生後3週〜12週頃の重要な時期です。

この時期に、

  • 環境
  • 他犬

に慣れさせることで、将来の問題行動を防ぎます。
なるべくいろいろなものに慣らすようにしてあげましょう。

よくある子犬の病気・トラブル

◆下痢・嘔吐

原因例:

  • 食べ過ぎ
  • 寄生虫
  • 感染症
  • ストレス

2日以上続く場合は受診が必要です。また、元気がない、食欲がない場合は続いていなくても早めの受診をおすすめします。

◆皮膚トラブル

  • フケ
  • かゆみ
  • 赤み

は、アレルギーや感染症の可能性があります。

◆誤飲・誤食

子犬は何でも口に入れます。

  • おもちゃ
  • 人の薬
  • チョコレート

などは特に危険です。食べたら危険なものはかならず片付けておくようにしましょう。

定期健診の重要性

◆健康診断とは?

健康診断とは、症状がない時に行う検査です。

  • 血液検査
  • 便検査
  • 身体検査

などで病気を早期発見します。

◆子犬期からの通院習慣

小さい頃から通院に慣れることで、

  • 病院嫌いを防ぐ
  • 早期発見につながる

というメリットがあります。

動物病院との上手な付き合い方

◆「相談できる病院」を持つこと

かかりつけ病院があることで、

  • 病歴管理
  • 成長記録
  • 迅速な対応

が可能になります。

◆こんな時はすぐ相談

  • ぐったりしている
  • 食べない
  • 呼吸が荒い
  • 血が出ている

迷ったら早めに相談しましょう。

飼い主様に知っておいてほしいこと

子犬を育てることは、「命を預かること」です。

  • 正しい知識
  • 継続的なケア
  • 愛情

があってこそ、健康に育ちます。

「知らなかった」ことで後悔しないためにも、早めの情報収集が大切です。

まとめ:子犬の時期が一生の健康を左右します

子犬期は、犬の一生の基礎を作る大切な時期です。

  • 早めの健康チェック
  • 適切な予防
  • 正しい食事
  • しつけと社会化
  • 定期健診

これらを意識することで、将来の病気リスクを大きく減らすことができます。

愛犬が長く元気に過ごせるよう、私たち動物病院スタッフは全力でサポートいたします。
気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。