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誤食・中毒事故の予防と対処法:あなたのペットを守るためにできること
はじめに
ペットは大切な家族の一員です。日々の暮らしの中で癒しを与えてくれる存在であり、私たちにとってかけがえのない存在でもあります。
しかし、そんな大切なペットたちが、自宅で思わぬ事故に巻き込まれることがあります。
代表的なのが「誤食」や「中毒」です。特に犬や猫は嗅覚が優れており、飼い主の目を盗んで食べてはいけないものを口にしてしまうことがあります。
こうした事故は予防できるケースが多く、飼い主様の正しい知識と日常的な注意が不可欠です。
本コラムでは、誤食や中毒の原因とされる代表的な物質・食品、事故を未然に防ぐための対策、そして万が一の際の対応について詳しく解説します。

誤食・中毒の原因とは?
食べ物による誤食
犬や猫にとって「危険な食べ物」は意外と多くあります。人間にとってはごく普通の食品でも、動物の体には毒性を持つことがあるため注意が必要です。
代表的な有毒食品
- チョコレート:テオブロミンという成分が心臓や中枢神経に悪影響を及ぼします。
- タマネギ・ネギ・ニンニク:赤血球を破壊し、貧血を引き起こす原因になります。
- ブドウ・レーズン:腎不全を起こす可能性があり、摂取量にかかわらず危険です。
- アルコール:体内に入ると神経系に深刻な影響を与え、昏睡や死亡に至る場合もあります。
- キシリトール:低血糖や肝障害を引き起こす原因になります。ガムやお菓子に多く含まれます。
中毒を引き起こす家庭用品・植物
食べ物以外にも、家庭内にあるさまざまな物が中毒を引き起こす危険性を持っています。
代表的な中毒原因
- 除菌・消毒剤:アルコール成分や界面活性剤が含まれている製品は要注意です。
- タバコ・ニコチン製品:少量でも重篤な中毒を起こす可能性があります。
- 観葉植物:ポトス、ユリ、アジサイなど、ペットに有害な植物は数多く存在します。
- 防虫剤・殺虫剤:ナフタリンやピレスロイド系の薬剤は犬猫にとって非常に有毒です。
- 医薬品:人間用の薬を誤って飲んでしまうことで中毒を起こすことも。
誤食・中毒の症状は?
誤食や中毒の症状は、摂取した物質や量、個体差によって異なりますが、以下のようなサインが見られることがあります。
- 嘔吐・下痢
- よだれが多い
- 元気がない・ぐったりする
- 痙攣(けいれん)や震え
- 呼吸が荒くなる
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 血尿・血便
- 意識の混濁・昏睡状態
これらの症状は進行が早い場合もあり、放置すると命に関わることもあります。少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院へ連絡・来院してください。
予防のためにできること
誤食や中毒を防ぐためには、家庭内の環境を整えることが何より重要です。
以下のような対策を心がけましょう。
1. 食品の管理を徹底する
- テーブルや床に食べ残しを放置しない。
- ペットの届かない場所に保管する(冷蔵庫・密閉容器など)。
- ゴミ箱は蓋付きで、倒れないものを使用する。
2. 危険な物質・植物を排除する
- 観葉植物を置く場合は、安全な種類かを確認。
- 殺虫剤や洗剤は使用後すぐ片付ける。
- タバコ・医薬品は高い棚や引き出しに収納。
3. ペットの行動を観察する
- 異常な行動(急に元気がなくなる、よだれが多いなど)にすぐ気づけるよう、日頃からよく観察。
- 子犬・子猫は特に好奇心旺盛なので注意が必要です。
万が一、誤食してしまったら?
「何か変なものを食べてしまったかも」「中毒の症状が出ている」と感じたら、まず落ち着いて以下の対応をしてください。
- 口の中に残っているものを確認し、可能であれば取り除く。
- 何をどのくらい食べたか、時間帯などをメモしておく。
- 食べたもののパッケージがあれば一緒に持参する。
- 自己判断で吐かせたり、薬を与えない。
- すぐに動物病院に連絡・来院する。
誤食・中毒事故はすべての飼い主様に起こり得ます
実際に当院でも、食品や薬品による誤食、中毒症状の診察依頼は年に何度もあります。
「まさか、うちの子がそんなことをするなんて」と驚かれる飼い主様も多いのですが、動物たちは思った以上に俊敏で賢く、人間が思いもよらない行動をとることがあります。
だからこそ、「うちの子は大丈夫」と思わず、日頃からの予防対策と観察が大切です。

まとめ:予防こそ最大の対策です
誤食や中毒事故は一度起きてしまうと、命に関わる深刻な状況を招くことがあります。
しかし、日々の工夫や飼い主様の意識によって、防ぐことのできる事故でもあります。
ペットの健康と安全を守るために、今日からできることを一緒に始めていきましょう。
